虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の診断・治療
狭心症・心筋梗塞
心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常によって、胸の痛みや締めつけるような圧迫感を伴う病気が狭心症です。狭心症には以下2種類があります。
①動脈硬化による狭心症…多くはこのタイプで階段を上った時や、寒い冬、外に出た時など心臓に負荷がかかった時に症状が出現することが多いです。
②異型狭心症…一方で心臓に負荷がかかっていないときに、胸痛が出現するときがあります。これは通常は冠動脈に病変はありませんが、ストレスなどがかかると、血管壁にある筋肉が収縮(攣縮)し冠動脈が狭くなります。
いずれも10分程度で血流が改善すれば、心筋に変化はありません。しかし冠動脈の閉塞が10分以上になり心筋が壊死すると、たとえ血流が戻っても、壊死した心筋は生き返ることはなく、収縮力は低下してしまいます。この状態が心筋梗塞です。心筋梗塞になると不整脈、心不全や弁膜症の出現で生活の質を著しく低下させてしまいます。
原因
糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙、肥満やストレス等が原因とされています。遺伝的素因もあり、心筋梗塞をおこした家族がいるひとは注意が必要です。
治療
冠動脈病変の場所や数により、風船治療(PTCA,ステント留置)あるいはバイパス治療を選択します。
異型狭心症は内服治療が中心です。